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■“美”と“経済”の両立は可能か
過ぎ去った2008年、マンチェスター・ユナイテッドは熱望していた3つの重要なタイトル――イングランド・プレミアリーグ、チャンピオンズリーグ、そしてクラブワールドカップを獲得した。
このイングランドのビッグクラブは、スター選手たちがそれぞれ完ぺきに自らの仕事をこなす完成されたチームである。
だが皮肉なことに、地球上で一番素晴らしいサッカーは、カンプ・ノウでバルセロナによって繰り広げられた。
もちろん、08−09シーズンはまだ半分を過ぎたばかりだ。
残りの半年間、このカタルーニャのチームに何が起こるかを、注視していくべきだろう。
サッカーは常に、観客やテレビの前の視聴者を魅了する、スペクタクル満載の“理想のモデル”を模索しつつ変化を続けている。
と同時に、巨大ビジネスという、サッカーのもう1つの側面が変わることはない。
つまり、各クラブは“美”と“経済”を両立させる必要があるわけだが、両方を手に入れるのは不可能ではないだろう。
スペクタクル性が最大限に発揮されれば、必然的にファンは得やすくなるからだ。
一方で、観客を引き付けるのにはもう1つの要素がある。
多くの場合、これが一番大きいのだが、それは特定のクラブ、あるいは代表チームへの忠誠心である。
これはスペクタクルなどとは別次元に存在する。
とはいえ、どのチームにとっても勝つことは重要だ。どんなサッカーをしようとも、最終的には何としても勝利を手に入れることが優先される。
■かつての象徴が去り、新しいチームへ
バルセロナは、ジョゼップ・グアルディオラ監督が就任した08−09シーズンの前半戦、クラブの伝統でもある“スペクタクルなサッカー”という哲学と“勝利”を完ぺきなまでに実現している。
“ブラウ・グラーナ”(バルセロナの愛称)にとって何より大切なのは、観客のシンパシーを得るため、いつでも魅力的なサッカーを披露することだ。
今季開幕前、バルセロナはかつてクラブの顔だった2人のキープレーヤーを放出した。
すなわち、ポルトガル人MFのデコとブラジル人のロナウジーニョである。
ソシオ(クラブ会員)から不信任案を受け、首脳陣が去るなど孤立無援の厳しい立場に追い込まれていた会長のジョアン・ラポルタは、苦肉の、しかしクラブに必要な決断を下した。
「ひとつのサイクルが終わった時、その象徴的存在の選手が去るのは当然のことだ」と、前出の2人とエトーが戦力外であることを明言したのだ(その後、エトーは残留)。
オランダ人監督のフランク・ライカールトも任期を残して退任に追い込まれ、バルセロナは過去の栄光と決別した。
ロナウジーニョとデコ、そして同じくクラブを去ったエジミウソンは、かつてバルセロナの副会長を務め、ラポルタと犬猿の仲だったサンドロ・ロセルと近しい関係だった。
ロセルはスポーツブランドのナイキのブラジル担当だったこともあり、ブラジル人選手からの信頼が厚かったのだ(彼は次のバルセロナの会長選挙の候補者とも言われている)。
今ではラポルタ派とでもいうべき選手が残り、チームは平穏に包まれている。
昨シーズンはピッチ外で騒動を起こし続けたカメルーン人FWのエトーも、今ではチームメートやテクニカルスタッフとも良好な関係を築いている。得点ランキングでもトップに君臨し絶好調だ。
■輝くグアルディオラのサッカー
バルセロナはどのプレーを切り取っても、輝くようなサッカーを見せている。アルゼンチンのみならず、いまや世界のベストプレーヤーの1人とも言えるリオネル・メッシを中心に、シーズン開幕前に新監督のグアルディオラが計画したチームとしての軸がぶれることがない。
また、現在バルセロナの背番号10を背負うメッシのみならず、あらゆるポジションにクラック(名手)がひしめいている。
中盤にはスペイン人のコンビ――完成されたプレーヤーのシャビと、将来性溢れるイニエスタ、左サイドにはかつてのレベルに戻りつつあるフランス人FWのティエリ・アンリ。
能力と人間性を兼ね備えた守備の要、カルレス・プジョル、3シーズン前の輝きを取り戻したメキシコ人DFラファエル・マルケス、最後尾には頼れる守護神ビクトル・バルデスが立ちはだかる。
今季のバルセロナは、リーガで1試合あたり3ゴールのペースで得点を重ねており、近年にないハイペースとなっている。
まだシーズンは半分以上残っているとはいえ、いまや国内でも欧州の舞台でも、バルセロナを倒すのはどのチームにとっても簡単ではないだろう。
スポーツナビ
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/soccer/eusoccer/0809/spain/text/200901050008-spnavi.html
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